コウベガタリ - 神戸語り -

『~JAZZ発祥~』

2009年12月 8日

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(なつかしの神戸より)

 

ジャズは20世紀初頭、アメリカ南部のルイジアナ州ニューオリンズという港町で誕生したとされる。 2005年のハリケーン「カトリーナ」の直撃で、街の9割が水没してしまった、おのニューオリンズである。ミシシッピ川の河口にあるニューオリンズという街は、港町の性格上、世界中の民族はもちろん、文化が集まっている特異な土地柄である。 

 

16世紀初頭にはスペイン人に支配され、のちにフランス領となり、ナポレオンの時代にフランスはこの土地をアメリカに売り渡したのです。 さらに、タバコや綿花の栽培をするという土地でもあったため、労働力としてアフリカから多くの黒人が奴隷として連れてこられました。 初めのうちは西インド諸島を経由して連れてこられた黒人たちが、次第に直接アフリカから連れてこられるようになり、黒人だけでも様々な歴史や文化背景を背負った人たちが入り乱れることになる。

 

ニューオリンズでジャズが産声を上げることになる大きなカギを握ったのが、クレオール(creole)と呼ばれるフランス系白人と黒人の間に生まれた混血と言われている。 西洋音楽と黒人音楽の融合こそがジャズだといわれるからも、このクレオールの存在そのものがジャズへと繋がって行くと考えられる。 ニューオリンズ周辺に多くのクレオールたちは、当初白人と同等の扱いを受けて、音楽教育も含めてヨーロッパスタイルの教育を受けていた。 ところが、1865年に北軍の勝利で終結する南北戦争の「奴隷解放令」により、クレオールの人たちは白人の扱いを受けなくなったばかりか、黒人たちからも迫害されてしまう。 その結果、没落していく過程でクレオールの人たちが黒人社会に入り込んでいくことになる。 そして、アフリカ出身の黒人たちが奏でる音楽や歌に、クレオールたちが身に付けた西洋音楽の要素が自然に溶け込んで、ジャズの誕生に繋がっていく。 南北戦争の終戦を機に、音楽隊は解散していき、それまで使われていた楽器が大量に放出され、黒人たちが初めて楽器を手にし、見よう見真似で覚えた、やがて独自の音楽を奏でることになっていく。

 

ジャズが誕生する以前に、その素地となる音楽がいくつかある、そのひとつが、ブルース(Bluse)である。ブルースは4分の4拍子の哀愁を帯びた曲のことをいい、ジャズの音楽的基盤になったと言われている。 ブルースの起源が黒人音楽にあるのは間違いないが、正確なことはわかっていない。 ブルースの形式は今も当時もほとんど変わることなく、12小節という形式、3音と7音が下がり気味に哀愁のある旋律をとるのが特徴で、これを、「ブルーノート(Blue Note)」という。

 

それまでピアノと言う楽器に触れることが無かった黒人たちが、次第にピアノを手にし、弾きこなすようになって生ませたのが、ラグタイム(Rag Time)である。 ラグタイムもジャズの基本となる音楽の代表です。 ラグタイムの「Rag」とは、「不揃い」とか「デコボコ」と言う意味で、音を小節の中にはめ込まずに意識的にずらして演奏することでより深みを興します。 これがジャズに大きな影響を与え、街の文化と自然に溶け込んで、気が付けば音をきくだけで「ジャズ」だとわかる音楽になっていった。

 

私も若い頃に、どうにかして楽器を演奏したいと思い練習してみたが、自分で演奏するより心地よい演奏を聴く方がどうも合っているみたいである。 酒を飲むところに音楽あり、酒を覚えた頃にバックに流れているには、歌謡曲か演歌であった。 ジャズが聴けるところは、お洒落な大人が行くBARであると思っていたし、「ジャズクラブ」や「ジャズ喫茶」に行けば生演奏を聴くことが出来るがそんな勇気はなかった。 大人になって行くにつれ自然と生活、酒の場でジャズが隣りにいる。 私は基本的には、これでなければいけない!と言うものはなく、音楽もジャズ、ブルース、ロック・・・・なんでも聴く。 でも音を聴く時には出来れば手に酒が欲しいものだ。そうすれば、楽器が出来ない私でも、勝手にからだがリズムを刻んでいて酒が美味い。

 

(ブルーノート・・・長音階のC,D,E,F,G,A,B以外に使うE♭(♭3rd)、G♭(♭5)、B♭(♭7)の三つの音を含む音の事。 ブルーノートなしにはブルースは演奏できない。)  

 

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