コウベガタリ - 神戸語り -

『~イスラム教~』

2009年12月21日

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(神戸ムスリム=モスク にて)

 

「イスラム」とはアラビア語で「神の意思に服従すること」。信者を「ムスリム」と呼ぶ。 イスラム教は、ユダヤ教、キリスト教に次いで、預言者に啓示された三番目の大宗教である。 イスラム教の預言者は、イブラハム(アブラハム)、ムーサー(モーセ)、イーサー(イエス)の血統に連なるムハンマド(モハメッド)である。

 

イスラム教は七世紀始めに広大はアラビア砂漠で誕生した。過酷な生活条件のこの砂漠には、アラブ人が住んで、都市生活者もいたが、大半はベドウィンと呼ばれる遊牧民で、多くは多神教を信じていたが、中にはユダヤ教の信徒もいた。 アラブ人はみな特定の部族に属しており、部族はさらに氏族に分かれていた。 ムハンマドは名門クライシュ(「鮫」の意)族のハーシム氏族の出身だある。

 

クライシュ族は五世紀、ザムザムの泉に恵まれた緑のオアシスであり、隊商路の交差する商業都市であり、有名な聖地でもあるメッカを支配していた。ここには、カーバ(神の家)と呼ばれる、玄武岩の隕石「黒石」を埋め込んだ巨大な灰色の石造りの方形神殿があつた。 この神殿は、アダムが建立し、大洪水で流された後、イブラヒメとその子イスマイルによって再建されたと言われている。 メッカの人々は信心深く、万物に潜む「ジン」と呼ばれる悪霊を怒らせる事を恐れていた。用心深く、かつ寛容だった彼らは、カーバ神殿に自分たちの神々や異国の神々を数多く祀っていた。メッカは巡礼(アラビア語でハッジ)の地でもあり、多くの人々を集めていた。

 

ムハンマド(預言者)はメッカで生まれた。幼くして孤児となり、叔父アブー・ターリブに引き取られ、従弟アリーと共に成長した。 成人して商人となってムハンマドは裕福な未亡人ハディージャに雇われ、その隊商を指揮した。 当時ハディージャは40歳、ムハンマドは25歳でしたが、ムハンマドの才能と誠実さを見込んで求婚し、二人は結婚する。 

 

ムハンマドは、瞑想に好都合なメッカ近くのヒーラ山の洞窟に一晩中こもることがたびたびあった。 ある晩、眠るムハンマドの前に天使ガブリエルが光の雲に包まれて現れ、ムハンマドを「アッラー(アラビア語で「神」の意)の預言者」と呼んだ。以後、ムハンマドは次々と神の啓示をうけていく。 [アッラー以外に神は無く、ムハンマドは神の使徒なり。] この言葉はその後、イスラム教徒の信仰告白、悔い改めの言葉になった。

 

ムハンマドの最初の弟子は、妻ハディージャと従弟アリーであった。彼らは貧しい人々や身体の不自由な人々にも布教した。人種や肌の色にかかわり無く、人はみなイスラム教徒になれると説いたのである。 ムハンマドは偶像を破壊するよう促す一方で、富の公平な配分、貧者の救済などを説いた。この説教のために、商売を邪魔されると恐れた商人たちがムハンマドに反発した。 ムハンマドはメッカを離れメディナ(アラビア語で「町」)に移住する。 この移住により、部族社会とのつながりが切れ、ムスリム共同体(ウンマ)が誕生した。その後ムハンマドは一連の戦争を余儀なくされた。アッラーの敵との聖戦(ジハード」)である。

 

イスラム教徒の活躍はめざましいもので、ムハンマドの死からわずか一世紀の間に、ピレネー山脈からインダス川にまで広がった、アレクサンドロス大王以来の大帝国を築いた。それから五世紀の間、彼らは文明の最先端にあった。インドで発見さらたゼロの概念の使用を広め、代数と十進法を発明し、航海に使う天体観測儀(アストロラーベ)を完成し、天文学や地理、医学でも重要な発見を行った。 ダマスカス、バグダード、、サマルカン、カイロ、ケイルワーン、マラケシュ、グラナダ、コルドバなど古代における[ギリシャの奇跡]に匹敵する[アラブの奇跡]と言われる創造的活動の拠点となった。

 

十四世紀以後、イスラム教の第二の波が起こった。イスラム教徒の商人や船乗りが、アフリカやインドネシアにまで教えを広めていった。そして、イランのサファビー朝、インドのムガール朝、ヨーヨッパの勢力圏だったバルカン半島を征服したオスマン朝など、新たなイスラム帝国が繁栄した。 しかしその後、イスラム勢力は衰退し、ヨーロッパによる植民地化の波をうける。 十九世紀には、ヨーロッパの産業革命の影響から、イスラム復興運動が起こる。さまざまな運動が解放闘争を巻き起こし、二十世紀半ばのおそく独立へとつながって行く。こんにち、イスラム教は世界で最も急拡大を続ける宗教である。 しかし彼らは、二十一世紀に予測されるさまざまな問題にも立ち向かって行かなければならない。

 

私は幼い時に、中山手通りにある「神戸ムリスク」の前で友達とキャッチボールをしていたら、外国人の人に声を掛けられ、「きみはイスラムか?」と聞かれた事があった、なぜそういわれたのか分からないがたぶん、夏の暑い日で、日差しがきつかったので、頭にバンダナを巻いていたためだと思う。 最近、ドバイに住んでいる友達から電話をよくもらうが、電話の後ろから「コーラン」が流れているのを聞いて「あ!本当にアラブからの電話なんだと思ってしまう。」 

 

イスラム教の五つの信仰・・・神は唯一である事。 一日五回メッカに向かって礼拝する。 イスラム暦の第九月にラマダン(断食)をおこなう事。 一生に一度はメッカに巡礼すべき事。 貧しい人々に分け与える事。

 

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