コウベガタリ - 神戸語り -

『~ウイスキーってどんな酒?~』

2009年12月 1日

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(ブラッスリー ボンマリアージュ店内)

 

BARで一番飲まれる酒といえば、世界中ではやっぱり「ウイスキー」である。カクテルやワインなどと違って、女性にはとっつきにくいイメージがあるかもしてないが、その魅力を知ればやみつきになるに違いない。でも、いろんな銘柄や種類があってわからない人が多いと思う。今夜は、少し「ウイスキー」について話してみようと思います。

 

ウイスキーの原料はビールと同じ、大麦麦芽などの穀物である。つまり、ビールとウイスキーは親戚筋にあたるのだが、ぜんぜん育ちが違う。穀物を醸造するまでは一緒だが、ウイスキーはさらに蒸留という手間がかけられているのだ。醸造酒を蒸留した酒を「蒸留酒」といい、ウイスキー、ジン、ウオッカなども同じ蒸留酒グループに属している。 では、ウイスキーとジンでは、どこが違うのか。そこで注目してほしいんが、「色」である。あのウイスキーの琥珀色は、蒸留酒をさらに樽の中で熟成させることによって生まれる。穀物醸造、蒸留、樽熟成という三つの条件を満たして、初めてウイスキーと呼べる。現在、ウイスキーは世界中で造られているが、主な産地はスコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本、これを世界の五大ウイスキーと呼ぶ。

 

スコッチ・ウイスキーとは、数あるウイスキーのうちで、世界中でもっとも愛飲されているのが、イギリスのスコットランド地方で造られているスコッチ・ウイスキーである。 スコッチは原料や製造法の違いにより、「モルト」と「グレーン」という種類に分けられ、さらにそれらを混ぜ合わした「ブレンデット」という種類がある。「モルト」は、大麦麦芽のみを原料としたもので。個性の強い風味が特徴である。「グレーン」はトウモロコシなどが主な原料で、クセがなくマイルドな味である。 モルトとグレーンを混合した「ブレンデット」は、約一五○年前に誕生した。二つを混ぜ合わすことによって味が平均化して、万人ウケする味わいとなり、スコッチの名が世界中に広まった。 スコッチの一番の特徴は、コクのある味わいと、スモーキーな香りだ。モルトは、麦芽を乾燥させる際に、ピートという泥灰を燃料として使う。このピートを燃やすときの香りが酒にしみ込み、麦を焦がしたようなスコッチ独特の香りが生まれるのである。最近は、この原酒の個性を味わおうと、シングル・モルトの人気が世界的に高まってきている。

ブレンデッドとは、二〇~四〇種類のモルトに、三~四種類のグレーンをブレンドしたものを言う。個性の強いモルトにシンプルなグレーンを組みあわせることで、クセのない、まろやかな味わいに仕上がるのだ。スコッチ初心者は、まずブレンデッドを味わってから、シングル・モルトに進んだ方が飲みやすいだけでなく、シングル・モルトの個性がより理解しやすいと思う。

ブレンデッドでスコッチの風味に親しんだら、次はシングル・モルト・ウイスキーでスコッチの個性を味わってみたい。シングル・モルトとは、ほかの蒸留所で造られたモルト原酒を一切混ぜず、ただ一つの蒸留所だけで造られたモルトを樽詰めしたもをいう。それだけに味わいもシンプルで、素性のはっきりしたウイスキーなのである。現在、モルトの蒸留所は約一一〇ヶ所あり、シングル・モルトウイスキーもワイン同様、実に多種多様に存在する。 モルトの風味は、蒸留所の立地や気候、さらに水やピートなどの差で、味わいが異なる。おいしいモルトを手軽に味わうなら、ブレンド同様、やはり十二年もの、もしくは、十七年ものがおすすめである。

 

私が酒を初めてBARで飲んだ時、やはり「ウイスキー」をいただいたと記憶している。そのころは、何を注文したら良いのかわからずに、ただ、「ウイスキーの水割り。」と言ったに違いない。そもそも、ウイスキーなんて大人が飲むものと思っていたし、美味しそうだなんて思った事もない。ただ、大人の男みたいでカッコ良く飲みたいと思っていた。しかし、本当に年齢を重ねると甘い酒が美味しいと思わなくなり、シングル・モルトをロックで飲みたくなる時がある。自分も少しは大人に成ったと思う瞬間であるが、自分では、カッコよく飲んでいるつもりでも、けっこう度数が高いのでカッコ悪く酔っ払う酒に思えるのが「モルト・ウイスキー」かもしれない。 私みたいに成りたくない人には、ウイスキーを水割りもしくは、今流行の「ハイボール」をおすすめしたい。でも、飲み慣れると病みつきになる酒である。

シングル・モルトのロールスロイスと絶賛されている「マッカラン60年」ものは、日本では、何百万円もするかわからないので、高級そうな場所では、お値段を先に聞いてから注文しましょう。

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