コウベガタリ - 神戸語り -

『~会社は生き物である。~』

2010年1月12日

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(なつかしの神戸より)

 

創業後間もない企業は、まさに今、創業者を支える経営幹部のレベルが問われる時期に来ている。 昨今、インターネットでの事業が多い仕事に成ると、社員一人一人がパソコンの画面に向かい、一人一人で完結する作業も多くなっている。そうなると「○○会社」の社員であると言う連帯感が失う可能性が出てくる。

 

中小企業なら経営者が社員一人一人をしっかり管理出来ていたものが、事業が拡大するにつれ管理出来なくなってくる。 会社が変革を遂げるためには、どこかでそのシステムを抜本的に変革しなければいけない。 昆虫で言えば、脱皮。人間で言う、乳歯から永久歯に生え変わるような変身を遂げなければ、それ以上大きくなれない。そう、会社は生き物と言える。

 

日本にも、かつて急激な成長を遂げた会社がいくつもあった。「ソニー」や「ホンダ」がそうである。 「ソニー」は東京通信工業株式会社。「ホンダ」は本田技術研究所と言う小さな会社から始まった。 本田の最初の製品は、自転車に小型エンジンを付けたという程度の物であったが、今では、世界に名を轟かせる大企業である。 中小企業から大企業に変革する際に、創業者といつもコンビを組んで、支えてきた人が必ずいた。 まさに今、企業が色んな意味での変革が求められる時、どう変革を遂げられるか、その会社の人材の真価が問われる時代に来てしまった。

 

「会社は生き物だ。」と言ったが、会社を人間に例えるなら、一見変わらないように見えて、実は常に変化している。常に新しい細胞が生まれ、古くなった細胞が死んでいる。二十年前のあなたの細胞はもう存在していない。死んでしまって、代わりにそっくり新しい細胞に入れ替わっている。会社も同じで、常に何処かであるものが生まれ、常に何処かであるものが死んでいく。この変化を繰り返さない限り、会社は生き延びられないのである。

 

そう、会社には寿命があるのです。会社は時代に合わせて変化しなければ、寿命がきてしまう。また、その変化によって再び生き返り、どんどん伸びていく可能性も出てくる。つまり、「会社は、大きくならざるを得ない!」のです。 会社を立ち上げた当初は、少ない人数で始めても、事業を拡大に伴って人が増え、そのために、新しい部(事業)を作って、会社は常に、「変化し続ける」、「大きくなる」と言う事を求められている。

 

生き残りを図るためには多角経営に手を伸ばす企業の増えている。まったく新しい業種にチャレンジして、新ビジネスの方が本業になってしまう会社もあれば、多角経営に失敗して経営が傾いてしまった会社もある。常に利益追求を求められる企業は、今、世の中が何を求めているのか、いつも先に考えていかなければいけないのである。 逆に、いろんな事に手を出すのではなく、ひたすらこれだけに特化していく戦略で生き延びる会社もある。 もう一度、今、勤めている会社、お店、の方向性を経営者と共に考え、それから経営者と共に歩んで行く道を確認しようではないか、そうしたら仕事が、上司から言われてヤラされているのではなく、自分のためにヤッテいると思うかもしれない。

 

私も経営者の端くれであるから、「店を大きくしたい」、「店舗を増やしたい」、と思い挑戦したが、「くまたか」、「ボンマリアージュ」、「四季遊材」、「プチ・ボンマリアージュ」、の四店舗が最大であった。 当時は、人の管理、仕入れの管理、クオリティーの維持、・・・・。など寝る時間も無かった。 やはり私の場合、人材育成に掛ける時間が少なかったと今思う。当時は、時代が何を求めているのかが分かり過ぎて、自分の手持ちの人材を超える店の展開をしていたと思う。そのため、私自身が本当にやりたい事と店を維持していく事が分からなくなってしまっていた。結局、私には経営者の器が無かったと思う。 現在、妻と二人で「ボンマリアージュ」を営んでいるが、今が、自分たちが本当にやりたかった事が出来ているのかも知れない。 創業当時(「くまたか」の時代)から私たちの事をご存知の方は、「23年前と全然かわらないな!」と言ってくれが、妻と目が合い、「ここまで、色んな事があったよな~!」と言いたくなる。 ある意味、私たちは幸運である、色んな展開をしてきて今もこうして、夫婦で店が出来ている。 私たちの細胞は、二十数年前の古い細胞が進化して、よく似ているが、まったく新しい細胞が生まれた事に成ったのかもしれない。これもみな、妻のおかげではあるが。みなさんも、運命共同体(経営者・社員・家族・・・。)との対話に重きを置いて、これからの方向を決める事をお勧めする。

 

 

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